ドクター安藤秀 コンバインドプレーン理論公式サイト

コンバインドプレーン理論とは?

●「コンバインドプレーン理論」とは?

「コンバインドプレーン理論」とは、「腕の縦の動き」と「体の横の回転」を合成してゴルフスイングを作る、という考え方です。そして、このコンセプトをイメージ化したのが「コンバインドプレーンイメージ」です。

一面のスイングプレーン

スイングプレーンという概念は写真技術が発達してきた1930年代にセイモア・ダンによって発見されました。その後、ベン・ホーガンによって一枚のガラス板にイメージ化された「一面のスイングプレーンイメージ」は当時多くの人のスイング学習を助けたのです。しかし、このイメージはゴルフスイングの変遷に伴いスイングが変化したために、近年主流となっているスイングの学習には適さなくなってしまったのです。そこで世界のティーチングプロ達が多くのスイングイメージを提唱してきたのですが、どのイメージも何らかの矛盾点をはらんでいました。そんな中、日本の筑波大学大学院で安藤秀プロによって研究開発されたのがコンバインドプレーンイメージなのです。

このイメーシでは、コンバインドプレーン理論のベースとなる「腕の縦の動き」と「体の横の回転」よく分かります。もちろん、スイングイメージなので、実際にこの図の上をクラブが動くということではなく、「腕の動きが作る縦のスイングプレーン(A)及び(C)」と「体の回転が作るスイングプレーン(B)」は合成され、スイング中のクラブの慣性や勢いによって連結部分が丸みを帯びたスイング軌道になります。

コンバインドプレーンイメージ

そして、この軌道は使うクラブによってもプレーヤー個人の体力因子によっても変わってきます。つまり、コンバインドプレーンイメージは、「実際のスイング軌道」から「プレーヤー自身が調整できないクラブに加わる力(慣性、勢い等)」を引いた「プレーヤー自身の意図的なクラブの動かし方」のイメージなのです。そのために、このイメージではプレーヤー各自のクラブ別のスイング軌道が意図的に作れるのです。さらに、この角ばったスイングイメージからは、「スイング中の腕の縦の動きと体の横の回転」、「ダフリ・トップのメカニズム」、「振り上げ位置と打球の方向性の関係」、「飛距離を伸ばす方法」、「アプローチスイングの作り方」などの要因をつかみ取ることができます。さあ皆さんもぜひコンバインドプレーン理論を土台にゴルフスイングの学習をしてみましょう。

●多くのゴルファー達がかかえる2つの大きな悩みを解決する糸口

インパクトプレーンと縦プレーンの組み合わせ方には、多くのゴルファー達がかかえる2つの大きな悩みを解決する糸口が隠されています。

まず、一つ目はドライバーショットとそれ以外のショットの打ち分けです。ゴルフを始めた頃は誰でもティーアップされたボールもしくは地面にあるボールのどちらかを打つのが苦手だったはずです。また、ある程度コースでプレーできるようになっても、日によってティーショットが調子の良い日はセカンドショット以降の調子が悪いということやその逆の現象がしばしば起こるものです。実はこの好不調の波は、それぞれのプレーンを作る動きの速度によって決まるヘッドスピードの関係によって発生するのです。トップオブスイングから縦プレーン上に振り降ろされるクラブヘッドのスピードに対して、インパクトプレーン上を移動するクラブヘッドのスピードが遅いとクラブヘッドはボールより手前に落下してしまいダフリショットを発生させ、逆に、縦プレーン上を落下してくるクラブヘッドのスピードに対して、インパクトプレーン上を移動するクラブヘッドのスピードが速いとクラブヘッドは地面に接触できずにボールの位置を通過してしまうためトップボールを発生させてしまいます。つまり、地面にあるボールをナイスショットするということは、トップオブスイングから縦プレーン上を落下してくるクラブヘッドのスピードとインパクトプレーン上でクラブヘッドがボール方向に移動するスピードが調節され、ちょうど地面に接触するような速度関係でスイングすることが必要になるのです。これに対して、ドライバーによるショットではボールは高くティーアップされています。このため、このボールをナイスショットするためには、地面にあるボールを打つ場合にトップボールを発生させてしまうような速度関係でスイングしなければならないことになります。そして、縦プレーン上を落下するクラブヘッドのスピードは腕と手首の使い方により決まり、インパクトプレーン上でクラブヘッドがボールの位置まで移動するスピードは体の回転速度によって決まります。このように考えるとコースでプレーするときには、ドライバーによるティーショットと地面から直接ボールを打つセカンドショット以降では、スイングフォームは同じでも体の回転の速度を調節することが求められ、これができないとドライバーショットとそれ以外のショットのどちらかが調子が悪いというラウンドになってしまいます。

続いて、二つ目は飛距離アップについてです。ゴルフファーならだれでも他を圧倒するロングドライブにあこがれるものです。飛距離を伸ばすにはインパクト時のヘッドスピードを上げればよいというのは周知の事実です。しかし、ヘッドスピードの差とはどのような動きの違いによって発生し、どうすればヘッドスピードは上がるのかという問いに対しての明確な答えはなかなか得られないようです。そのため、多くのプレーヤーは筋力トレーニングを行うにしてもどのような筋肉を鍛えることが飛距離アップにつながるのかが解らずに全体的な筋肉アップをはかっています。しかし、ナイスショットを生み出すことが、コンバインドプレーンを構築する際の縦プレーンを落下するクラブヘッドのスピードとインパクトプレーン上を移動するクラブヘッドのスピードの関係を調整することと考えれば、飛距離を伸ばすためには双方のスピードを上げればよいことになります。そのような観点から飛距離アップをとらえれば、縦プレーン上を落下するクラブヘッドのスピードを上げるには縦方向に速くクラブシャフトを振り下ろすことができるグリップの形、肘の向き、トップオブスイングの位置、腕の使い方などが追い求められ、インパクトプレーン上を移動するクラブヘッドのスピードを上げるには、下半身の使い方、体幹部の捻り方、そのための準備であるアドレスの姿勢が導き出されます。つまり、このような動きの速度を上げるという観点からスイングの仕方を調整し、その動きに必要な筋力のトレーニングを行えば飛距離は伸びるでしょう。